富士通コンコード・ジャズ・フェスティバル 2013
Jazz At The Philharmonic
ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック(ノーマン・グランツに捧ぐ)
1953 年秋、”ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック”(J.A.T.P)の初来日公演。この日劇でのコンサートこそが、日本のジャズフェスティバルの幕開けとなった。この時のメンバーはロイ・エルドリッジ、オスカー・ピーターソン、ベニー・カーター、レイ・ブラウン、ジーン・クルーパー、エラ・フィッツジェラルドらスター・プレーヤー達だった。J.A.T.Pとは、ジャズ界きっての名プロデューサーでプロモーターのノーマン・グランツが、ジャズメンたちが主に小さなジャズクラブで腕試しをしたジャム・セッションを、当時のトップ・プレーヤーたちを集めて、コンサートホールで開催したのが始まりだ。さて、今年の「富士通コンコード・ジャズ・フェスティバル」は、「ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック〜ノーマン・グランツに捧ぐ」と称して、現代にJ.A.T.Pを再現。今回限り豪華13人のトップ・ジャズメン達によるオールスター・ジャムセッション(ジャズ名人会)は、ジャズの真骨頂であるミュージシャンたちの演奏バトルで私たちを徹底的に楽しませてくれるはずだ。
Trumpet Workshop
ランディ・ブレッカー(tp)
Randy Brecker
(1945年ペンシルベニア州フィラデルフィア-)
1975年、実弟のマイケル・ブレッカーとブレッカー・ブラザーズを結成。グラミー賞受賞作を含む傑作アルバムを多数発表。1982年ジャコ・パストリアスのワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドに参加。ジャズ、フュージョン界のカリスマ・トランペッター。
テレル・スタッフォード(tp)
Terell Stafford
(1966年フロリダ州マイアミ-)
1988年ウイントン・マルサリスと出合い、その後もベニー・ゴルソン、マッコイ・タイナー、ケニー・バロン、フランク・ウエスのグループに参加。ジュリアード音楽院の講師も務める。
Tenor Madness
ハリー・アレン(tp)
Harry Allen
(1966年ワシントンD.C.-)
1996年『ディア・オールド・ストックホルム』で日本デビュー。スタン・ゲッツやズート・シムズといった白人テナーの流れを汲むストレートアヘッドなジャズ・テナー奏者の一人者。一連のボサ・ノヴァ作品も人気が高い。
グラント・スチュアート(ts)
Grant Stewart
(1971年カナダ、トロント-)
19歳でニューヨークへ移住。ドナルド・バード、ジョージ・コールマン、バリー・ハリスに師事したのち、NYのジャズ・クラブに出演、頭角を現す。
Alto Summit
チャールズ・マクファーソン(as)
Charles McPherson
(1939年ミズーリ州ジョプリン-)
1960年から72年まで、チャールズ・ミンガスのバンドに参加。さらに師であるバリー・ハリスとアルバムを多数録音。クリント・イーストウッド監督「バード」のサウンドトラックに参加。チャーリー・パーカーの真の後継者である。
多田 誠司(as)
Seiji Tada
(1960年香川県高松市-)
1993年、日本の若手ミュージシャン達による『日本ジャズ維新ジャズ』のレコーディングに参加。その後も自己のバンドを中心に活躍、その情熱あふれるプレイは日本屈指である。
Drum Battle
ドラム・バトルといえば、ジーン・クルーパーとバディ・リッチの共演が有名だが、今回はジェフ・ハミルトンとルイス・ナッシュのドラム・バトルが実現する。
さらに、このドラム・トリオとトランペット・ワークショップ、アルト・サミット、テナー・マドネス、そしてロバータ・ガンバリーニら7人のスター・プレーヤー達が迫力あるジャム・セッションを繰り広げる。
ジェフ・ハミルトン・トリオ
ジェフ・ハミルトン(ds)
Jeff Hamilton
(1953年インディアナ州リッチモンド-)
シェリー・マン亡き後ウエスト・コーストのトップ・ドラマー。現代屈指のビッグ・バンド”クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラ(CHJO)”のリーダーのひとりとしても活躍。
タミール・ヘンデルマン(p)
Tamir Handelman
(1971年イスラエル、テルアビブ-)
ジェフ・ハミルトンに見出され、2001年からCHJOの一員になる。現在はジェフ・ハミルトン・トリオ、ナタリー・コール、ロバータ・ガンバリーニといった歌手の伴奏も務めている。
クリストフ・ルティ(b)
Christoph Luty
(1965年ユタ州ソルトレイクシティ-)
CHJO、ジェフ・ハミルトン・トリオに在籍。そのプレイは、レイ・ブラウン、ジョン・クレイトンの流れを汲み、手堅いサポートには定評がある。
ルイス・ナッシュ・トリオ
ルイス・ナッシュ(ds)
Lewis Nash
(1958年アリゾナ州フェニックス-)
ロン・カーター4、トミー・フラナガン3のレギュラーを務め、オスカー・ピーターソン、レイ・ブラウン等数多くの巨匠と共演する。現在最も多忙なドラマーである。
リニー・ロスネス(p)
Renee Rosnes
(1962年カナダ、レジャイナ-)
ジョー・ヘンダーソンとの演奏で頭角を現し、90年以降、多数のリーダー作を発表、人気女流ピアニストとなる。その演奏は繊細でありながらパワフルである。
ピーター・ワシントン(b)
Peter Washington
(1964年カリフォルニア州ロサンゼルス-)
1986年アート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャーズに参加。その後、ルイス・ナッシュとトミー・フラナガン・トリオに参加する。正統派ジャズ・ベースの一人者である。
Guest Vocal
ロバータ・ガンバリーニ(vo)
Roberta Gambarini
(1972年イタリア、トリノ-)
2005年のデビュー・アルバム「イージー・トゥ・ラブ」がグラミー賞にノミネートされるという好スタートをきり、権威ある米国ジャズ専門誌「ダウンビート誌」の国際批評家投票で、女性ヴォーカル部門<ニュースター>No1 にも選ばれる。さらにハンク・ジョーンズをはじめ、トゥーツ・シールマンス、ハービー・ハンコック、マイケル・ブレッカーやロイ・ハーグローブといったスーパースターたちとの共演を重ねる。第2のエラ・フィッツジェラルドと形容されるロバータ。現代最高の実力派シンガーである。
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